Taiwan Project
五感で感じる心地よい空間
風土に根ずく市民に開かれた空間創り
1987年ヨーロッパやアフリカなどを遊学後、象設計集団の台湾プロジェクトに参画。当時台湾は戒厳令がちょうど解かれた直後だった。場所は台湾北東部に位置する宜蘭県。台湾でも一番後ろに近い貧乏県。養殖漁業、農業のほかにはさしたる産業もなく、大した観光地もなかった。ただ野党民進党の中心地域で、地方の郷土意識と反骨精神の強い土壌にあった。ここに当時県知事であった陳定南知事が観光立県を目指しユニークな建設事業を次々と打ち出していった。私たちは冬山河のリバーフロント事業から宜蘭県民センターの計画、県の庁舎、県の議会棟の計画・設計・建設を通して県の建設水準を国際級に上げるとともに、台湾の気候・風土に根ざし、市民に開かれた空間創りを目指した。中国風でも日本風でもない独特のカタチがが今では違和感なく人々に愛される場所や空間になっている。